2002年06月18日

SF の話

 SFは余り読まないのだけど、谷 甲州氏の航空宇宙軍史シリーズは結構好きかも。 何が面白かったのか、と言うと、外惑星連合軍と航空宇宙軍、 両者が全く同じ比重で描かれている、と言うか、 うーん、話毎に視点が変わるというか。それが面白い。 さっきの話は外惑星連合視点からの話で、次のが航空宇宙軍視点だったり。 メインに据えられる人物もその都度違う。これがとても面白い。

 戦争をしている2つの団体(と言うとなんか変だけど)を 双方の立場から念入りに書いていたSFに「銀河英雄伝説」もありますよね。 でも、あれは私は大して何も思わなかったんだなあ。 だんな(彼は銀英伝大ファン。初版本で揃えているのが自慢(笑))に、 谷甲州氏の小説は双方の立場から描かれていて面白かった、と 言う話をしていたら、銀英伝だって同じだろう、と言われました。
 はい、そうです、たしかに。でもね、違うのよ。 あれは私にとってはヒーロー物語なのよね。金髪の小僧(名前忘れてしまったよ(^^;)あ、ラインハルトだっけ)と ヤン。他にも、「ヒーロー」的な味付けがされた登場人物がたくさん。 キルヒアイスとか……ああ、もう他の人の名前は覚えてないなあ。 谷甲州氏のには、その「ヒーロー」がいないのよね。 ヒーローではない、ただの人間が戦場でどのように考え感じ、 行動していくか。それが、両方の立場から念入りに描かれています。 そのあたりに引っかかったんだと思う。

 同じ様な理由で、SF2大大御所ではハインラインよりアシモフの方が好きです。 ハインラインのは何読んでも大抵斜め読み(^^;)。でもアシモフのは 読んでいて夢中になるのが多い。登場する「人物」が私の興味を 引くのだと思う。

 アシモフの主人公って、凄く頭が良くて、でも変わり者なため 周囲からはずれてしまって孤独である、と言うタイプが多いですよね。 天才過ぎて周囲から理解されない、とか。 「ネメシス」のマルレイネとか、「神々自身」のデュアとか。すごく好き。 もしかしたらこういうのってアシモフ自身の投影もあるんだろうか、と思ったり。 (いや、全然見当違いなこと言ってるかもですが) ああ、これらの人々も全然「ヒーロー」じゃない。

 つまり、私はヒーローにもスペースオペラにも興味がないんだな、と。 チャンドラーとかバローズとかレンズマンとかローダンシリーズ(^^;)とかも 一通り読んではいるけど(だって、家に転がっていたのだもの。父もダンナもSF大好き)、 内容は全部忘却の彼方です。…ムーアは好きだったけど。N.W.スミスシリーズ。 あれはSFと言うより、幻想小説として読んでおりました。

SayaT at 2002/06/18 | Comments [0]

2004年12月29日

愛を叫ぶ(?)堀辰雄

 新聞の下の方に、書籍の広告が載っていますよね。先日そこに、堀辰雄の本が載っていた。お?珍しいな、と思いよく見てみたら、広告文に「文学世界の中心で愛を叫んだ堀辰雄…」とあった…。えっとぉぉぉぉぉ……(_ _;)。叫んでますか?堀辰雄。叫んでませんよ。絶対に。愛は描いても叫んでません。なんでも中心地で叫べばいいのか、昨今の風潮は(^^;)。やめて…とおもった、年季の入った堀辰雄ファンの私である。中高生の頃、嵌って嵌って。堀氏の世界にどんなに恋いこがれたことか(^^;)。愛がどうの、と言う部分ではなく、堀辰雄の描く追分の風景、そこに集う若者達の死と隣り合わせの息遣い、光、風、そう言うものに憧れたんですね。一番好きだったのは「美しい村」。懐かしいな。

SayaT at 2004/12/29 | Comments [0]