2004年04月24日

【風の絨毯】

(DVD)2002/イラン・日本/カマル・タブリーズィー
「イラン」日本合同作成に引っかかって借りてきた(笑)。イラン映画好き。見てる時はそうでもなくても、後々ずっと印象が心に残るのがイラン映画です。なんでだろう? と言う事で、イランロケ部分がやっぱりすごく好き。子供たちが相変わらずいいねえ。ああ、あんたたち精一杯生きてるよなあ、と言うのがしみじみ。あと、マコトの友人のイラン人夫妻がとても良い。母を亡くして心を閉ざした日本の少女を笑わせようと、親身になる奥さん。もう、なんでここまで?と思えるほど、諦めずに手を出す。不思議に思っていたら、親戚の小さな子達を遊ばす奥さんを、窓の外からじっともの言いたげな目で見つめるダンナ。そして、おなじく親戚の子供たちを体中使って遊ばすダンナをじっと見つめる奥さんの目。もしかしてこの夫妻は子供を亡くしたのか、それとも子供が出来なかったのか、そうも思えてくる。でも、そんな事は一切描かれないんですね。あくまでも脳天気でノリのいいダンナに、しっかり者の奥さん。一切描かれないのだけど、それがとても映画に奥行きを与えているような気がする。その「何か」を感じさせてくれるのが、イラン映画の良いところなのかもしれないなあ。お話自体は別になんと言う事もなく、まあ、こんなもんかな、と。しかし、たった20日でペルシャ絨毯ってほんとに織り上がるんですか? (2004/04)

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2004年05月19日

【カッコーの巣の上で】

(DVD)1975/米/ミロス・フォアマン
ウン十年ぶりに「カッコーの巣の上で」も見る。地味な感じだが、やはり良い映画だな。と言うか、後に尾を引く映画だなあ。いろいろな差別意識が映画の組み込まれ、それに抗うもの、それに巻かれるもの、気が付かずそれに荷担するもの、いろんな立場の人間達がさりげなく描かれている。さらりと観ればさらりとおわるんだけど、考え出すと止まらない奥の深さがあると思う。チーフが切ないねえ。
 高校生の長男が、ロボトミー手術の事を知らなかったのと、「シャイニング」のお父ちゃんが出てるんだよん、と言う事で、息子のために借りてきたようなもの。見終わったあとでなにやら考え込んでいたようなので、まあ、良し、と。いっぱいいっぱいいろんなことを考えるべし。君はそう言う時期だ。

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2008年08月17日

【壁の中に誰かがいる】

(DVD)1991/米/ウェス・クレイヴン
うおーなんだ、これは。ホラーだと思ってたらコメディだったのか? 笑っていいのか?いいんだろうな。いや、笑うべきなんだろうな。残念ながら笑いのツボや感覚が私は合わなかったようなので、今ひとつ乗れず。なんとも中途半端な気分で終了、でした。少年少女の冒険物語としてみた方が良いかも。
子供たちは可愛いし、まあ、その辺りは楽しめましたが。

SayaT at 2008/08/17

2003年07月11日

【伽椰子のために】

(劇場)1984/日/小栗 康平
 泥の河で、すっかり小栗監督の映画に夢中になっていた私は、公開と同時にとんでいきましたとも。監督第2作目の「伽椰子のために」、今は亡き、北浜の三越劇場へ~(そう言えば、大毎地下ももう亡いんですよね。お世話になったのに…(;_;))。でも、ちょっとがっくりでした。これは先に小説を読んでいたからかもしれません。小説は重かった。サンジュニーの生き様、伽椰子の生き様。在日の重さ。人が持って産まれたものとは何なのか。それは変えられないものなのか。その重さがとても好きだったです。でも映画では妙にきれいにまとめられてしまって、透明で静謐な美しさ、と言った雰囲気。そう言う風に観れば良かったのかもしれませんが、小説の重さを引きずっていた私には物足りなかったのでした。(2003/07/11記)

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2003年01月23日

【カリガリ博士】

(DVD)1919/独/ロベルト・ビーネ
昔から一度見てみたいと思っていた。懐かしい淀川氏の褒め言葉を聞き、ふんふんと思いながら観賞。最後でびっくり。ほほぅこうくるか。と。現代の小説、映画でもよく取り扱われているテーマ、シナリオ。1919年かそのあたりの映画ですね、これ。さすがです。江戸川乱歩かドグラマグラか、と言う印象でした。(もちろん、映画の方が時代的にずっと古い) 美男美女揃いで嬉しかった。(*^^*)

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2004年04月25日

【奇蹟の詩】

(DVD)1999/米/アニエシュカ・ホランド
私は「奇蹟」には何の興味もないので、「感動秘話」とは全く思わなかったけど(ラストで感動もしなかったぞ)、でも、神を信じたいのに信じる事が出来ず苦しむ神父さんを見るのはとても楽しかった(と書くと変な感じだが、変な意味じゃないよ(^^;))。疑念を全く挟まずに信じる事の出来る人間は幸せだ、と言った、その神父さんの言葉が好き。人間にとって、信仰とは何か、神とは何か、宗教とはどういうものを意味するのか、そう言う事を考えるのはとても好きなので、そう言う意味で、この映画は楽しかった。母親に捨てられ、恋人にも去られた女性がかわいそうね。ライバルは神様。勝てないわなあ……。でも彼女も赤ん坊を産んで、自分の位置をしっかり掴んだのかな。良かったね。後味は良い映画でした。(2004/04)

SayaT at 2004/04/25 | Comments [0]

2002年11月25日

【キッド】

(DVD)2000/米/ジョン・タートルトーブ
これは面白かった。はちゃめちゃな話の作りなんですが、お子様仕立てというわけでもなし、妙に説教臭くもなし、実にすっきりした作りで素直に笑いながら見られました。あのくりくり目の子、可愛いな。憎めない表情だねえ。

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2003年11月25日

【キャラバン】

(DVD)1999/仏・ネパール・英・スイス/エリック・バリ
あー、よかった。人と風景がとても良かった。なんていい顔をしているんだ、みんな。最初に出てきた子供のぼさぼさの頭と、じいさまやばあさまのとことん日に焼けた(それも紫外線焼け)顔の色を見て、もしかしたら、と思っていたら、やはり俳優さんたちではなく現地の人達だったんですね。これは映画館で見たかったなあ。あの風景は大きい画面で見たら素晴らしかっただろうなあ。とても残念。(2003/11)

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2004年12月25日

【キューブ】

(ビデオ)1997/カナダ/ ヴィンチェンゾ・ナタリ
わー、面白かった。ハラハラドキドキするわけではないし、物凄く怖いわけでもないんだけど、でも、面白かった。とてもマニアックな映画だと思うのだけど、ヒットしたんですよねえ? 極限状態に置かれた人間の心理とかもよくあるテーマなんだけど、「ああ、よくある話ね」とはならないところが凄いなあ。状況が全く掴めない辺りがミソなのかな(ここがどこなのか、何故こんなモノがあるのか、どうして自分たちはここにいるのか、何故こんな目に遭うのか、そう言う基本的な設定部分が何も分からない) 一番印象に残ったのが、「これは忘れられた巨大な公共事業で、作っている人間にもこれが何なのか分からなくて、作ったからには使わないともったいないから人を入れてみた」という奴ですね。うわー、ブラック…。なんだかこういう事って世の中にごろごろ転がっているような気がする。

SayaT at 2004/12/25 | Comments [0]

2004年08月25日

【キング・アーサー】

(劇場)2004/米・アイルランド/アントワン・フークア
もったいない!と言うのが第一番の印象。これは、アーサー王伝説の映画ではありません。アーサー王伝説の元となった男達の物語です。つまり、普通の人間達の物語。かつて、非常に優れた1人の指揮官がいた。彼は仲間と共に戦った。…これは上手く描けばとても面白いものになったであろう!と思うのに。えらく中途半端な出来でした。中途半端に伝説にこじつけようとするから、笑いを誘われてしまうし…。一番感動したのが、ボーズの嫁さんが故郷を思って歌うシーンだったというのは情けないのではないだろうか。もっと脚本練り込むべし。

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2003年07月07日

【ギフト】

(DVD)2000/米/サム・ライミ
ホラーかと思ってたら、違いました。サスペンスでもなく、静かな人間ドラマでした。風景が面白い。妙な雰囲気の風景だけど、ヒリヒリ感も不安感も特になく、そのあたりからも「ホラー映画じゃないなあ」と思いました(画面の不安感はセッション9が凄かったですねえ)。でも、その妙な雰囲気は良く生きてましたねえ。ラスト、同じ木が太陽の光に照らされているだけでこんなにも雰囲気が変わるか、と感嘆。良いラストでした。一つ乗り越えられたのね、お母さん。良かったね。(でもあんな小さくて狭い町の中では、多分生きにくいでしょうに(^^;)。小さな町や村の住人の偏見の目ほど怖いものはないです)。特になんて事はなかったんだけど、まあ、面白かったかなあ。キアヌ・リーブスが出ていたけど、なんでキアヌ?と言う感じ。いや、悪いワケじゃないけれど。キャストがえらく豪華な気がします。(2003/07/07 記)

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【グリーン・フィンガーズ】

(DVD)2000/英・米/ジョエル・ハーシュマン
もっとコメディか、と思ってたけどそうでもなかったです。特になんて事はないのだけど、まあ、面白かったかな。ラストが良かったですね。一気に気分が良くなりました。後味が花丸二重丸。イングリッシュガーデンは好き。古いお屋敷も好き。それがふんだんに見れたので、それだけでも良し。 「ブラス」を見たときも思ったんだけど、イギリス映画っておとなしいのかな? アメリカで作ったら、もっと凄まじくも感動の超大作~~(大作、じゃないか(^^;))みたいになりそうな筋立てなんだけれど、地味なのね、どちらも。慎ましやかに進行する、と言うか。刑務所の所長さんとファーガスがとても味があって好き。(2003/07/07 記)

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2004年12月25日

【グリーンマイル】

(DVD)1999/米/フランク・ダラボン
 きれいにまとまった映画だと思うのだけど、今ひとつ釈然としない部分もたくさんあり、可もなく不可もなく、と言ったところかなあ、と。君たちなんでそんなにあっさり奇跡を信じる?とか、人が人を罰するのになんでそんなに平然としている?とか、人の超能力を利用しておいて、その人が処刑されるのを「仕方がない」で黙って見てますか?とか。あと、コフィーが人を罰したとき、私はびっくりしましたよ。ああ、怖い、と思いましたよ。なのに誰もそれを当然のように受け入れているのだもの、ああ、それがとても怖い。宗教の違いもありますか? 罪と罰の宗教。もう一つ。これは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でも感じたことなんですが、「こんなに簡単に人は処刑されるのか?」と言うこと。一回「死刑」と決まったら、それを覆すことは大変なことなんでしょうか。死刑判決が出てから執行までの時間が比較的短く、その間に判決を覆すのは非常に難しい、と。この辺りのことを描いた映画もよくあるような気がする。と言うことは、このシステムって現実的なものなんでしょうか。物凄く怖い事じゃないか、と思いますが(^^;)。
  ミスター・ジングルが最高ですね。もう芸達者! 子供の頃飼っていたハツカネズミを思い出しました。かわいい、かわいい!

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2004年03月25日

【夏解】

(劇場)2003/日/磯村一路
 もう、タイトルに惹かれて惹かれて見に行きましたが(夏至、半夏生、初夏、晩夏、冬虫夏草……夏の付く言葉が大好き)、今ひとつかなあ、と。なんかムードだけに流れているような感触が残りましたねえ。ひとつだけ。お寺のお坊さんがいう「失明した時点でその辛い行が終わるのです」という言葉。確かに終わるんだろう。いつ見えなくなるか、と言う「恐怖」の行は。でも、そこから新しい、で、もっと辛い行が始まるんじゃないか。見えない自分をどう受け入れていくのか、どう生きていくのか。目(視力)というのは、本当に生活に密着していますから。その辺りが全く描かれていないので、なんだかムードだけに流れたものに思えてしまったのかもしれない。解夏の意味が分かったので、それは嬉しい。(2004/03)

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2004年01月25日

【夏至】

(DVD)2000/仏・越/トラン・アン・ユン
 内容もよく分からずに借りてきたのだけど(はい、タイトルに惹かれました。「夏」「夏至」。ドキドキする「言葉」です)、始まってすぐに「これはもしかしてエロティックなお話なのだろうか…」とちょっと不安に。しかしその部分は、微妙なラインで踏みとどまり、それよりも何よりも印象に残ったのは、光と風と水と緑と音。胸の奥がしん、と痛くなるような、郷愁を感じる画面(私はベトナム行った事無いし、今のベトナムが本当にこんなんなのか知らないし、こういう風景の中に身を置いた事もないんだけどな。なんでこんなに懐かしいものを感じるのだろう)。最初から最後まで見惚れてしまいました。いや、思いがけなく、とても良かったです。
 お話はね。もしかしたらこれって「ベトナム版金妻」?(^^;)。いやさ、金妻ドラマは見た事はないので本当かどうかは分かりませんが、この映画観ていて浮かんだのが「ベトナム版金妻」の言葉だったのでした。 でも、ドロドロしているわけではなく(画面の美しさのせいかな)あまり気にならない。ともかくこれは日常生活の中の光と風と水と緑と音、でしょう。夢の中のような、「日常生活」ですね。(2004/01)

SayaT at 2004/01/25 | Comments [0]

2003年05月11日

【この森で、天使はバスを降りた】

(DVD)1996/米/リー・デビッド・ズロートフ
 良い映画でした。映像も音楽も。ああ、良いもの見たなあ、と、しみじみと思える映画でした。悲しい話なんですけどね、見終わったあとに苦いものが残らないのが不思議。ラスト、彼女がいない、という喪失感を画面から感じるのに、でも、それが苦いものにならない。彼女はここにいないけれど、でも、彼女の痕跡が残っている。彼女がここで生きていた、その何かがこの場所と人々の中に確かに残っている。それは消えずにこの先ずっと残って行くに違いない。そう思わせてくれる何かが、この話を非常に救いのある優しいものにしているのかもしれない。シナリオも役者さんたちも、映像もとても良かったと思います。…いや、タイトルがあまりにあまりなので、今ひとつ手が出なかったのだけど、でも、借りて良かったなあ。見て良かったなあ。原題は「The Spitfire Grill」。 原題の方が好きなあ。

SayaT at 2003/05/11 | Comments [0]

2005年05月23日

【ゴシカ】

(DVD) 2003/米/マチュー・カソヴィッツ
 うーんうーん…ううーーーん…。感想に困る映画だったりして。それなりに見れるのだけど、でも特にどうということもなし。最初はサイコホラーかと思っていて、そのうちサイコサスペンスかな、と思い直し、やがてこれはただのサスペンスだわ、と思って最終的には「シックスセンス」(笑)。前半のカメラワークとか結構面白かったのにな。「霊」の存在をうまく活かせなかったって感じですね。ああいう始まり方をしながらただのサスペンスにしてしまっちゃいかんよー。…と思いました。
 ところで、「ゴシカ」の意味はなんでしょう。ゴシックのことかしら。ゴシックホラー?ちょっと違うと思うけど(^^;)。やっぱりよく分からない映画でした。

 
クロエ美人。ああいう顔立ち好きです。ペネロペ・クルスっていう女優さんなのね。覚えておこう(でもすぐ忘れそうだ(^^;))。ハル・ベリーは最近あちこちで見かけるけど、しっかり見たのはこれが初めてかもしれない。あと、DVDに入っていたCM・「恋愛適齢期」。ジャック・ニコルソンがプレイボーイ役!見ねば!とか思いつつ結局未見の映画ですが、やっぱり借りてこようかな。なかなか面白そうだった。アバウトシュミットでもお思ったけど、ジャック・ニコルソン、爺さんになっても良い味出しているなぁ……。もう「シャイニング」を引きずっていてはいけないのかもしれない、私(笑)(でもやっぱりジャックはシャイニングとカッコーの巣の上で)

SayaT at 2005/05/23 | Comments [0]