2005年07月15日

【箪笥】その2

(DVD)2003/韓/キム・ジウンネタバレバレバレです
 サブニューになってたので、借りてきました。やっぱり好きだなーこれ。
 その1で書いた「妹の設定」ですが、知的障害がある等の設定は映画では特になされていないようですね。お姉ちゃんに頼り切っている、ボヤーとした、でも素直な子供って感じなのかな。しかしやっぱり、あのボヤケッぷりには違和感有り…。
 私がなぜこの映画が好きなのか。「切ない」のですね。それが好きなんだわ。お姉ちゃん(スミ)がとても切ない。怒りや憎しみや嫉妬や、愛情や後悔、取り返しのつかない思い、そう言った重たい感情に押しつぶされて自分で自分を保てなくなってしまったスミ。もう切なくて切なくて。音楽の使い方もよいし風景やあの古い家の雰囲気も良い。ホラー部分は私的には不要。まあ、あれがないと全体にぼやけた映画になってしまいそうだからあっても良いのだろうけど、でも、私には邪魔でしかないなぁ、あの変なお化け。
 …つまり私はあの映画を「ホラー」としては見ていないわけです。ホラーとしてみたらどうなんでしょうね。中途半端じゃないのかな。よく分からない。(お化けの扱いがよく分からないわけです)
 
 私なりの解釈。
 あのかわいいスヨン(妹)もスミの幻想だと私は解釈。スミは1人で3役やっていたわけです。怖いお化けはスヨンとお母さんの本当のお化け、かな。最終的にウンジュ(継母…にもうなってるのかな?)はお母さんとスヨンのお化けに取り殺されたと見て良いのかな。スミは自分の中の感情が収集つかなくなって病院暮らし、と。義弟の嫁さんのは単なるヒステリー発作、と(お化けの気配も一役買っているのかもしれないけど)。
 スミは自分の家庭に入り込んできたウンジュを許せない。そのウンジュに反抗したが為、もしかしたら助けられたかもしれない妹を結果的に見殺しにしてしまった、その後悔。忘れたいのに忘れられない、そんな地獄をお前は知っているか(という言葉をウンジュ@スミがスミ@スミに吐いています。圧巻。
 スミの時間はそこで止まってしまった。スミは何度もやり直さざるを得ない。継母になり妹になり自分になり、何度も何度も時間を繰り返す。何度繰り返しても何も変わらない。スミは何度もスヨンを死なせてしまう。継母である自分がスヨンを殺し、それをどうしようもなく見ているだけの自分が居る。
 
 こう書いてみるとミもフタも御座いませんが、やはりスミの1人3役が圧巻。最後の方でFLASHバックでネタバラシしますが、それが邪魔なくらい圧巻。ホラー部分も邪魔。…ああ、いっそこのこと心理サスペンスで描ききってくれたら最高だったのに(私にとって(^^;))。

 
 うわー…5月末ごろにこの記事を書いているんですが、下書きのまま放置していたようです。もう2ヶ月近くたってるじゃないのさ。慌ててアップ。

SayaT at 2005年07月15日 13:20
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