2005年04月26日

【パッション】

(DVD)2004/米・伊/メル・ギブソン
ただただ痛いだけの映画でした。そこらのスプラッタ映画もどきのスプラッタ(;_;)。いやもー、スプラッタ映画はそのスプラッタを見せよう!というのがテーマの一つなんで良いんだけど、この映画はそれがテーマじゃないでしょう。演出やら筋立てやらそんな風に作られてないじゃないですか。それであのスプラッタ…。
 なんであんなにしちゃったんでしょう。監督の自慰行為見せられている気分(凄い言い方だな、私(^^;))。クリスチャンだけを対象にした映画ならまだ良い。でもこれはそうじゃないのでしょう? キリスト教のことを、あるいはイエスのことをよく知らない人だって対象なんじゃないんですか?そう言う人達が見てはいけない映画ではないのでしょう? それなら、そんなにイエスのことが描きたかったのなら、そう言う、「よく知らない人達」にももっともっと伝わるように描くべきではないのだろうか。
 わたしはキリスト教には詳しくはないです。上っ面なことは知っているけど…聖書も一応読んだことはあるけどねえ、物語として読んだので新約より旧約の方がセンセーショナルで面白かったな、という、その程度です…ただそれだけです。そんな人間にも「おおおお、凄い」と思わせるような何かが映画作品として必要なんじゃないのかしら。「ああ、知ってることがそのまんまだわー」と見ていて思ったのでイエス受難の有名なエピソード(と言っていいのだろうか(^^;))に関しては結構忠実に映画化されているんだろうけど、ただそれだけ。監督はこの映画で一体何が描きたかったのよ。それがもの凄く疑問に思える映画。聖書を忠実に映像化するだけでは、映画としては全然なっちゃ無いものになるでしょうに。テーマというものが必要なんじゃないんですかね。

 ともかく痛かった。痛いだけの映画だった。イエスの描き方もそのまんまだし、ユダの描き方ものそのまんま。イエスを糾弾し十字架にかけろと叫ぶ群衆(ユダヤ教の司祭達)もそのまんま。それなら聖書読んでた方が良いんじゃないのかい、と思える映画でした。なんでわざわざ映像で痛いの見なきゃならんのだ(^^;)。

SayaT at 2005/04/26 | Comments [0]

【21グラム】

(DVD)2004/米/アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
 なかなか良かったです。 ショーン・ペンはやっぱりうまいねえ。ミスティック・リバーでも「なかなか…」と思ったんだけど(あの映画は嫌い。でも役者陣はとても良かったと思う。テーマのもって行き方が嫌いなの)こちらも凄かった。
 
 あちこちの映画感想サイトを覗いてみると、あの時間軸ぐちゃぐちゃの構成は賛否両論のようですが、私は支持派かな。ぽんぽん飛ばされることによって、いろんなたくさんのテーマが無理なくこちらの中に入ってくる。罪と罰、信仰、人が生きる意味、人の死の持つ意味、医療の問題。まあ、本当に重いテーマをこれでもかこれでもか、と詰め込んで見せてくれる映画なのですが、これを、正統に1本の時間軸に沿って映写されていたら、これらの重いテーマがあれこれ一気に押し寄せてきて、こちらとしては押しつぶされてしまっていたんじゃないかと思います。ぽんと時間を飛ばされる毎にこちらの気分もリセットされる。巧いなーと思いました。下手をするとぶつ切りのわけわからん映画になってしまう恐れが大いにあったと思うんですが、この映画ではそうはならなかった。うーん、巧いなあ。結果を出さないのも良かった。何がよくて何が正しくて、どうなるべきなのか、どう考えるべきなのか、それらは示されない。だから見ているほうはそれぞれ考え込む。こういう映画にありがちな『押し付けがまさ』は私は感じませんでした。怒涛のスピード展開、という映画でもないのでじっくり考えながら見ることができる。なかなか良い映画でした。機会があればもう一回見てみたいな。 

 内容に関しては、「辛いね。でもそれでも世界は回っていくんだね」です。一番身近なものとしては、交通事故死、でしょう。宮部みゆきの「とり残されて」でも思ったのですが(あれはテーマは全く別物ですが)、事故、というのは、被害者はもちろん、加害者、そして彼らを取巻く人々にとってなんと辛いものだろう、と。

 
いや、あまりの時間軸のごちゃごちゃに最初は大変苦労しました。…私、人の顔が覚えられないんですよ。日本人でさえも覚えられないのに、外人さんにいたると、ほんとみんな同じ顔に見えるんですよ(^^;)。そんなわけで、誰が誰なのやらさっぱりで最初は非常に困りました。それでも見続けたのは、「これはなかなか好みな映画かもしれない」という匂いが画面から漂ってきていたからです。当たりでした。つまり、3家族しか登場しないんだよ、ということが分かってからは(分かるまでに半分近く行ってましたが(^^;))とても面白く鑑賞いたしました。←だからもう一回見たいんですよ(^^;)。返すまでにもう一回、と思っていたのに、見る時間がなかったわ。残念。

SayaT at 2005/04/26 | Comments [0]

2005年04月09日

【ローレライ】

(劇場)2004/日/樋口真嗣
 亡国のイージスを読んで福井氏の大ファンになった息子その2(中3)が「見たい!見たい!絶対見たい!」というので、とりあえずおつきあい。まあ、面白かったです。つっこみどころは満載ですが、突っ込む必要はないと思うし。これはこれで良いんでしょうなーってことで。でも、日本海軍とか潜水艦とかすっごく好きな人は見に行っちゃいけないかもしれない。ファンタジーとかSFとかと思って見に行けばそれなりに楽しめると思います。しかし、見終わった時の最初の印象は「イージスと話の流れが一緒じゃん」でしたが(^^;)。
 ダンナも(←潜水艦映画大好き人間)一緒に行ったのだけど、「まあこんなもんだろー」と納得はしつつも帰りの車の中で私と二人して突っ込みまくって大笑い。そう言う意味でも楽しめました(笑)。そういや、先日原作も購入してきていましたようなので、映画も結構楽しかったようです。
 で、潜水艦とか軍艦とかそう言うの大好きな息子はどうだったか、というと、彼もそれなりに楽しんだようで。最初のCGには「げっ」とか思ったようですが、その後の駆逐艦(だっけ?)とかは眺めているだけで楽しかった、とのこと。みんな同じ型なのがムッと来たとか言ってましたが。私はあの戦闘シーンいろいろ、鯨の猟を思い出しましたよ。鯨が数頭で回転回遊しながら魚の群れを追い込んで、いきなり一斉に飛びかかるの。おお、豪快な猟じゃ、と、以前テレビ見た時に思ったっけ。あんな密集していてはいかんだろう(笑)>駆逐艦。

 
 で、亡国のイージスも見に行くらしい。あっちは小説を読んでしまっているんでどうでしょうねえ。こう言うのは原作を読む前に見に行くべきだと思うからねえ。息子に付き合って映画行くのも今年限りかなあ。高校生になったらさすがに友人達と行くだろう。

SayaT at 2005/04/09 | Comments [0]