2004年12月25日

【シャイニング/小説と映画について】

シャイニングとWの悲劇は、映画化に当たって見事に話を書き換えちゃってましたね。でもそれはそれでとても良かったと思うな。小説は小説で面白い。映画は全く別物として、これまた面白い。Wの悲劇、の方は細かいところはもう忘れちゃってますが(^^;)シャイニング。小説はホテルが主役でその中に「父と子」の絆、と言うものが一本太いテーマとして貫いていたように思いますが、映画の方ではそれらがほとんどみられない。
 映画の方では「人間はいかに狂っていくか」という部分を私は興味深く観ていました。これがめちゃくちゃ面白くて怖かった。ホテルに棲む幽霊達の仕業なのか、一人の人間が狂っていく過程で現れた現象なのか、そのあたりがとても曖昧なところが怖かった。(どうにも説明のつかない部分、というのは一カ所だけ。狂ったお父さんが閉じこめられた、鍵のかけられた貯蔵庫(だったかな)のドアが外から開く…、誰が開けたのだ?、と言う部分だったかな)。 閉じられた場所で一人の人間が静かに狂っていく。何故か分からない。止めようがない。そしてそれがじわじわこちらに迫ってくる。追いつめられる。逃げ道はない。「場所」までもが狂っていく人間に味方をしているように思える。いや、その「場所」が人を狂わせているのか。その「場所」には何かがいるのか、いないのか。何も分からない。それがとてもとても怖い。
  小説の方では、ホテルには歴然と何かが棲みついていてそれがお父さんを乗っ取った、と言う形になっていますから、その曖昧な恐ろしさはないです。幽霊屋敷の恐ろしさ、と言う怖さだよねえ。お父さんの葛藤の切なさを感じる小説でもありましたなあ。 「幽霊」より「人間」が怖い私としては、怖さと言う点では映画の方に軍配上げちゃいます(^^;)

 ところで ジャック・ニコルソン凄すぎ。私はあまり俳優さんの名前とか覚えないのだけどニコルソンの名前はこの映画でがっちり覚えました。

SayaT at 2004年12月25日 08:37
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