2004年12月29日

愛を叫ぶ(?)堀辰雄

 新聞の下の方に、書籍の広告が載っていますよね。先日そこに、堀辰雄の本が載っていた。お?珍しいな、と思いよく見てみたら、広告文に「文学世界の中心で愛を叫んだ堀辰雄…」とあった…。えっとぉぉぉぉぉ……(_ _;)。叫んでますか?堀辰雄。叫んでませんよ。絶対に。愛は描いても叫んでません。なんでも中心地で叫べばいいのか、昨今の風潮は(^^;)。やめて…とおもった、年季の入った堀辰雄ファンの私である。中高生の頃、嵌って嵌って。堀氏の世界にどんなに恋いこがれたことか(^^;)。愛がどうの、と言う部分ではなく、堀辰雄の描く追分の風景、そこに集う若者達の死と隣り合わせの息遣い、光、風、そう言うものに憧れたんですね。一番好きだったのは「美しい村」。懐かしいな。

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2004年12月27日

【父と暮らせば】

(劇場)2004/日/黒木和雄 
思いっきり泣かせていただきました。(^^;)。こう言うのには弱い。理屈抜きで弱い。大上段に振りかぶるではなく、日々を懸命に生きている一般市民の視線で描かれている、もうそれだけで弱い。ところでお父さん、宮沢りえは美人です。お前みたいなちんくしゃ(と言う表現ではなかったと思うが)でも中味がよけりゃ…というセリフはとっても空回りです(笑)。
 さて。映画としてはどうだったか、と言うと、なぜ映画?と言う疑問でいっぱい。舞台劇みたいだなあ、と思って観ていたんですが、実際原作は戯曲だったんですね。舞台劇で観たいなあ、と言う印象を受けてしまうのは拙いのではないでしょうか。舞台劇的な良さ、面白さを残しながらもあくまでも「映画」として作る、と言うことも可能だと思うのですが。そう言う意味では、私は「死の棘」の方が作り方が上手い、と思うのですけど。まあ、比べるようなものでもないか。

 演劇の方、香港公演とても好評だそうですね。良かった良かった。この戯曲で描かれている感情は民族を問わず「人間」に共通するものだと思うのですよ。「親子の情愛」と「1人生き残ることの苦しみ」「生きることへの希望」だもの。そうして、全ての人がこういうふうにいつも感じてくれていたら、世界から戦争はなくなるのに…と思うのになぁ。世界はややこしいのね。全のために個は潰されるのね。そうでないと回っていかない部分ももちろん多いのだけど、その結果が戦争ってのはやりきれないです。他に道はないのか?

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2004年12月25日

【ハウルの動く城】

(劇場)2004/日/宮崎駿
 朝のラジオの女子アナさんが「木村ハウルかっこいい~~~!」と言ってたし、予告で見たハウルも妙に美青年だったし、で、なんとなく期待していったのですが、私のツボではございませんでした。まあ、面白くはあったけど、私個人としては千と千尋の神隠しの方が好きだなあ。
 絵はきれいと言えばきれいなのだが、少し前に観たスチームボーイの印象が強すぎて、「ふうむ」と言った辺りで収まり、お話はどうも中途半端でのめり込めず、ハウルはドンファンなんだか繊細なんだか(多分その両方なんでしょうね)、上手く描けば面白いキャラクターになったかと思うのですが、今ひとつ表現し切れていない印象。
 思うに、「戦争シーン」は要らなかったのではないか、と。原作には戦争のせの字も出てこない、と聞いていますし。私の友人は「あの戦争があったからこそ締まるんだよ!」と褒めてましたが、私は「あの戦争があったからこそ中途半端になってしまったんだよ」と感じたわけです。何が描きたかったのか、はっきりしない。いろんなものを詰め込んで詰め込んで全部が中途半端で終わってしまったような印象が否めない。どこを観たらいいのか、よく分からない。
 でも、細部は面白かったですねえ。なかなか笑わせてくれるし、所々とても良いイメージのシーンもあるし、なんと言っても荒地の魔女の美輪明宏と犬のヒンが最高でした!(^◇^;)。木村ハウルについては別に何とも思わず。大体が芸能界音痴の私、キムタクの声聴いても顔出てきませんし(^^;)。特に引っかかりもしなかったんだから、なかなか上手かったんじゃないんでしょうか。

 ほのぼのファンタジーで観たかったなあ。原作読んでみようかなあ、とちょっと思案中。

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【アマデウス(ディレクターズカット版)】

(DVD)2002/米/ミロシュ・フォアマン
 むかーし見たっきりだったのですが、何となく借りてくる。覚えているのとだいぶん違う(^^;)。多分細部は忘れ果てて、印象深かった部分しか覚えていなかったからだろうと思うけど。でもやはり「サリエリが堪らないなあ」と思う。才能を見分ける能力だけを与えられる、というのは堪らないよね。拷問だと思います。そこで居直って、隠された他人の才能を発掘する人、と自分を位置づけられたらいいのだろうけど、自分自身が創作へ対する大いなる欲求を抱いている時は、それはとんでもない拷問器具でしかない。かわいそうに、サリエリ。でも、その才能が故、最後の瞬間天才と創作の過程を共有することができた。あの時間(レクイエムの口述筆記…というのか、作譜ですね、をしている時間)こそがサリエリにとって至福の時だったのではないか、と私は思うのだけどね。私はサリエリにもなれない、もう一階層下の凡人なので、その至福な時間さえ与えられないのである。
 さて、ウン年ぶりに見てみて、このアマデウスのモーツァルトに対する見方が180度変わってしまったのに気が付いて愕然。昔、まだとっても若い頃に見た時には、このモーツァルトがとってもとってもお下品で嫌いだった。ところが今回見ていて「こいつ…かわいいじゃないか」と心から思ってしまった。とてもいい子じゃないか。妙な悲壮感もなく気負いもなく、ただただ音楽と戯れている、素直で単純なモーツァルト。ああ、これこそを「神様に愛されている人間」というのだなあ、と、思いましたよ。(だからますますサリエリの苦しさが迫ってくる)。そうよ、若い頃は何よりもこういうお下品な雰囲気を私はどうしても許せなかったのよ。今でも好きではないにしても、でもずいぶんと許容範囲は広がってきたと思う。年取ったのね、私も(^^;)。

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【4人の食卓】

(劇場)2003/韓/イ・スヨン
これは、あの女性に思いっきり感情移入してしまいましたなぁ(^^;)。他人が心の中にしまい込んでいるものが見えてしまう。乞われて(人は隠された自分の心の奥底を知りたがるものなのである)それを教えるのだが、皆、それが理由で自分から離れていく(離れていくだけでなく、とんでもない悲劇まで巻き起こる)。自分は?自分は一体誰に助けて貰えるのだろう?誰が自分の話を受け止めてくれるのだろう? せつないじゃないですか。

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【閉ざされた森】

(DVD)2003/米/ジョン・マクティアナン
二転三転四転五転六転七転八転九転…いやもう飽きました。「転」のためだけの映画だったような気分。人は「転」が面白いのではない。「転」の結果、「おお!」とか「なるほど!」とか思える、その感覚(カタルシス)を人は求めるのである。物語は「起承転結」があってこそなわけだが、「起転転転転転転…よくある結」ではつまらんよ。…と思いました。

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【アバウト★シュミット】

(DVD)2002/米/アレクサンダー・ペイン
やっぱりジャック・ニコルソンは凄い、と思える映画でした。これ、ジャックでなかったらとってもしょうもない映画になりそうだ。いや、悪いわけではないのだけど、ジャックだからこそこの味がでたという感じ。まあ、人間は自分の人生を生きて、周囲の自分を見知っている人も皆死んでしまったら、それでお終い。何も残らなくても、それは意味のない人生ではない。人生を生きた、と言うだけで意味があると思うので。なので、おっちゃんあと少し頑張れよ! …でも人生の最後でひとりぼっちになるのは辛いね。

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【我が谷は緑なりき】

(DVD)1941/米/ジョン・フォード
人が正直に働いて、それで得た正当な報酬で生きていけたら、世の中こんな大変で辛いことはなくなるのになぁ、と心から思った逸品

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【サスペリア】


(DVD)1977/伊/ダリオ・アルジェント

ずいぶん昔に見たものですが、懐かしくなってレンタル。これは映像と雰囲気と音楽が大好きなのです。あと主人公のお姉さんがとても好き(美人)。お話はよく分からない(^^;)。なんでこんな学校が長期間存続できたのか自体が不思議。でもどうでも良いのよね、多分、この映画では。

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【鬼火】

(DVD)1963/仏/ルイ・マル/
うーむ、フランス映画はやっぱり苦手…としか思えなかった……。おフランスものは小説も苦手…(^^;)。料理は好き(笑)(ただし、日本人仕様に限る)。あ、音楽は好きなんだなあ。ラヴェル、ドビュッシー、サティ、フォーレ。小説や映画から感じる、甘さ、洒脱さ、これが私は苦手なのだけどね。音楽はまた違う感じがするんだけど。うむ、よくわからない。

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【ラストサムライ】

(劇場)2003/米/エドワード・ズウィック
ダンナは「笑ってしまいそうだから見に行くのはいやだ」と言っていたんですが「絶対見たい見たい見たい!」と息子その2が言うので、見に行ってきました、ラストサムライ。いや、なかなかどうして、面白かったです。…アメリカナイズドな日本映画でしたが(笑)。でも「日本映画」ではないんだから、あれはあれでよいのでしょう。と言うか、一応それなりに「日本」してくれていたので、感心しました(大抵、「日本」と言いながら実のところは「中国」と「日本」のチャンポンなんですよね。外国の人が描く「日本」って)。殺陣はなかなかかっこよかったし剣舞もかっこよかったし、謙さんもかっこよかったし。エンターテイメントで良かったですね。謙さんの反乱にもっと説得力があれば、もっと良かったかなあ(なんか表面的に「かっこが良い」という部分をなぞって終わってしまったという印象)。でもまあ、あんなもんかな。(2003/12)

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【耳をすませば】

(TV)1995/日
雰囲気の良いアニメでしたねー。背景が良いなあ。宮崎さんのアニメは背景がきれいで大好き。おばさんはとっても郷愁を誘われるんですけど、同時にとっても恥ずかしくもなります(笑)。しずくーーーっとか叫ばれるとあああーーっ恥ずかしいっと(爆笑)。中3で「結婚しよう!」もないだろうともおばさんは思いますが、中3の頃は夢見ていたかもしれませんね。私の場合、現実の男の子は眼中にはなかったですけど、小説やマンガやそう言う仮想世界をひたすら夢見ておりましたねえ。良い時代でした。…と今だから言えるんですけどね。いろいろ悩んでいろいろ考えていろいろ自分で決着をつけようとしていた時代、ですね。また観てみたいな、とちょっと思うんだけど、観てるとやっぱり恥ずかしくなるから、もう観ないかな(笑)

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