2004年12月25日

【バグダッド・カフェ】

(DVD)1987/独/パーシー・アドロン
 強力にお薦めの一品。
 けだるい雰囲気の中で淡々と進む、おとぎ話だなあ、これ。甘っちょろくならないのは、音楽と画面と淡々とした雰囲気のせいだろうなあ。最初あのドイツのオバチャンを見たときは、うげぇぇ…と思ったんだが(あのタイプは非常に苦手な場合が多い)、いきなり掃除を始める辺りで「おお、主婦だ…」と何となく感嘆。気が付いたら、「ジャスミンおばちゃん素敵だなあ…」とオバチャン・マジックにすっかり引っかかっていました。ジャスミンでもっていますねえ。凄いね、このキャラクター。砂漠の中の寂れた薄汚いカフェでひたすらバッハの平均律の練習をしている(しかも巧くない)お兄ちゃんがいたり、正体不明の妙に派手なじいさまがいたり、奥さんと喧嘩をして家を飛び出したくせに、双眼鏡で元我が家を覗いては「ブレンダ…ああ、ブレンダ(←奥さんの名前)」と呟いている情けないダンナがいたり、でも、話は淡々と進むんですね。妙に面白かったです。ラスト近くのミュージカルシーン(?)も良かったな。音楽が良いよ、と言うのを常々聞いていたんですが、確かに良い。テーマソング、力のある、いい声だなあ。劇中の「ブレンダ・ブレンダ」もよかった。ブレンダが本当に歌っているのか、と思ったら、違うようですね。
 ところで、ジャスミンおばさん。ダンナさんとは正式離婚したんでしょうか。重婚になっちゃうと思うけど(^^;)。砂漠の真ん中で奥さん放り出して行ってしまうだんなも凄いと思うけど(一応探しはしたみたいだけど、それでも見つからなければ普通捜索隊出さないかしらん(^^;))、 砂漠の真ん中で羽根の付いた帽子かぶってハンドバックもってスーツケース引きずってスーツ姿のヒール靴でさっさと歩き出してしまうジャスミンおばさんはもっと凄い。(で、最初に書いた、「おっきなお尻を振り立てて、つい掃除を始めてしまう」おばさんが最高です) しかし、これが西ドイツ映画ってのにびっくりしました。ドイツ映画にもいろいろあるのね(当たり前だけど(^^;)。いや、ドイツというと「ブリキの太鼓」がまず最初に頭に浮かんで、これ、私だめだったものだから(^^;)。生理的に受け付けませんでしたな。20歳になったばかりの頃の話……)。(2003/07/10 記)

SayaT at 2004年12月25日 09:55
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