2004年06月07日

【ふたりのトスカーナ】

(DVD)2000/伊/アンドレア&アントニオ・フラッツィ
内容をあまり知らずに借りてきてしまったもので、これも衝撃が大きかった。辛すぎましたなあ、これは。最初の方がとても微笑ましくて、ああ、子供はかくありなん、と言う作りだっただけに後半のえげつなさが身に染みる(戦争ってのはああいうものだ、と言う事が分かっているだけに、もう辛くて辛くて堪らない)。見たあと、延々落ち込んでしまいました。

SayaT at 2004/06/07 | Comments [0]

2004年06月05日

【トロイ】

(劇場)2004/米/ウォルフガング・ペーターゼン
…を観に行く。ダンナと次男坊が「絶対観る!」と叫んでいたので、おつきあい。でも、公開後さっさと行かなかったもんだから、デイ・アフターに負けてしまって画面が小さい(;_;)。ああ、公開直後に行っておくんだった。この映画は大画面で見たかった…。

 途中までは面白かったです。歩兵の戦闘だとか、アキレスとヘクトルの一騎打ちだとか。でもその後が、その後が、その後が…(T^T)。ちょこざいな!

 と言うのが、全体の感想になってしまいました。いやね、あそこまでね、男達の戦い、ってかんじで押してくれたんならラストまで押し通して欲しかった。ちょこざいな!木馬かよ!と言う感が否めない(^^;)。ヘクトル、なんのために死んだのよ。ちょこざいな!(もういい、と言われそうだな(笑))

 木馬が出てきたのは、長い戦いでにっちもさっちもいかなくなった末の、ちょこざいオデッセウスの知恵だったのだけど、それなら納得も行くのだけど、ヘクトルは死んだわ、アキレスは戻ってきたわ、その時点でいきなり木馬ですか!と言う感じがどうしてもしていかん。おまけにその木馬の中にアキレスまで入ってるし。理由が「女かよ!」 君の信念はどこへ行った。その前に、いとこ殺されてそこまで切れるかっ君だっていっぱい人のいとこを殺して来たろうに。君はそこまでの男だったのか!アキレスよ。

 と、ラスト1時間はもう憤死ものでした、私にとっては(^^;)。そこまでが結構楽しめただけにもう悲しくて。アキレスもかっこいいなーと思ってたのに。ヘクトルもかっこいいなーと思ってたのに。王様もかっこいいなーと思ってたのに……

 でもまあいいや。戦闘シーンは見応えあったし、城のシーンも好きだし。ヘクトルは最後まで哀れでした。パリス。あんただけ最後までいい目みたわね。


 ところで、王様! オトゥールだったんですね! 年取ったなぁ…私が最後に知っているのはカリギュラでした。そりゃ年取りますねえ。

【トロイ】その後

 うーむ、昨日からトロイの事ばかり考えている。なぜあんなちょこざいな映画になってしまったのか!もったいない!(結局はやっぱりとっても面白かったって事なんですよね(^^;)。面白かった、と言うより、かっこよかった、と言うべきか)

 私が考える問題点。その1。木馬が拙い。
 史実(かどうかはしらんが、ともかく、木馬がなければトロイ滅亡はない)なので、木馬を引き入れた事によってトロイが滅亡する事自体は変えようがない。しかし、あの流れで「木馬」を持ってくるのは非常に拙いのではないか。
 勝利のためには木馬が必要だった、と言う、必然性が感じられない。素晴らしい計画だ!と言うよりもちょこざいだよ、あんたら、と言うイメージの方が強くなってしまう。どうしてもあの城壁は破れない。木馬以外に手がない、と言う逼迫した雰囲気が欲しかった。あの描きようじゃ、オデッセウスの思いつきがまあ大当たりぃドンドン!って感じじゃないですか。

 その2.アキレスが拙い。
 アキレスのキャラクターはとても面白かった。王に忠誠を誓うのではなく、戦う事だけに己のすべてを託している、後世に名を残す事を何よりも望んでいる、あくまでも自分のために戦う男、と言う設定が面白かった。なのに、なんだか親族が殺された事で逆上はするは、いきなり敵方の女に惚れて木馬に紛れてまで追っかけするわ。いや、惚れるのは良いです。良いんですが、エピソードの扱いが良くない。なんや、君は意外と軟弱だったのだな、と言う印象を私は持ってしまった。いとこが殺された事による逆上にしても同じ。逆上するのは良いが、その程度の人間であそこまで名が売れるような(いわゆるカリスマ、ですなあ)剣士になれるのか?と言う疑問がつい脳裏に浮かぶ。殺すか殺されるか、の世界です。逆上していては生き延びられないと思うのだが。いや、それが彼の弱点の一つであった、と言うのなら話は別だが、特にそう言う雰囲気の描かれ方でもなかった。

 その3。プリアモス王、アホすぎ。
 いや、アホなのは良いんだけど。そうして一つの王国が滅んでいくわけだから。でも、単身敵地に乗り込んで息子の遺体を望む、その凄い行為のすぐあとで、あのアホな行動ですかい。ついていけませんでした、と言うか、同じ過ちを二度繰り返すのではない、王様。…まあ、これはどうでも良いか。

 結局、何が描きたかった映画なのか。息子&ダンナに言わすと「戦闘シーン!」だそうで、それならまあ、それはそれで良いのだけれど、それだけではなんだかとてももったいないような気がする。描き方によってはもっと凄い映画になったんじゃないか、と思うのになぁ。脚本が拙いと思う。イーリアスを全く離れて(神様出てこないしアガメムノンもその弟王も死んじゃうし~)人間ドラマとしてのトロイを描きたかったんだろう、と思うにつけ、ああっもったいない!!!と。(^^;)

 最近あまり「何かにはまる」事はなかったのだけれど、久々にはまったかもしれない。トロイ(爆笑)。アクションと画面と衣装がとっても気に入ってしまったため、何がダメだと感じたのか、何が気に入らないのか、ぐるぐるひたすら考え続ける私(笑)。脚本が拙い!とやはり思っているわけですが、じゃあ、何をどうすれば良くなったのだろうか、と延々考えてたり。(それがまた楽しい)。非常にエンターテイメントな作りの映画だと思うので、そのあたりは考えやすいですね。テーマがはっきりしていて演出の持って行き方もパターンがある。とても分かりやすい映画だ。

 と、どうにもこうにも腑に落ちない、釈然としない私は本日レディースディを利用してもっかい観てきました。トロイ。
 観ているうちに、おかしいぞ、どうしてこんなに少女まんがチックな香りがするのだろう…という気がしてならず。そこでやっと気が付きました。これはアキレスのラブロマンス物語だったんだ!(^^;)しまった…
 テーマなんか凄くはっきりしてるじゃないですか。アキレスですよ、テーマは。なんでこんなはっきりしているものが見えなかったんだろう。不思議。初見時はどうもアクションに呑まれて目が見えなくなっていた模様です(^^;)。
 なんだ、そうか、と思ってみれば、そんなに文句もなく。まあ、こういう映画なんだろう、と。もっとなんかこう、骨太なものを勝手に期待してしまったようですね、私。全然そう言う映画じゃないんだなあ、これは。
 まあ、やっぱり脚本は拙いと思うんだけど。特にパトロクロスとアキレスの関係。イ-リアスをしっかり知っている人には分かるのかもしれないけれど、そうじゃない人にはこの二人の関係はわかりにくい。なんでアキレスがここまでパトロクロスを大事にするのか。二人の剣の練習シーンと上陸直前の「お前がいると気になって戦えない」というアキレスのセリフだけでは足りなさすぎ。この二人の関係がもっと納得いくよう描かれていれば逆上するアキレスを理解する事が出来るし、そうしたらもっと説得力のある流れになったでしょうにねー。木馬以降はもうあれで良いんだわ、きっと。アキレスのラブロマンスだもの。

 ということで、急速に冷める私。トロイ週間は5日で終了しました。まあ、5日間楽しませていただいたから良しとしようっと。

SayaT at 2004/06/05 | Comments [0]